えすみリウマチ整形外科クリニック

阿倍野区-リウマチ科整形外科 骨粗鬆症

あべのハルカス 21F えすみリウマチ整形外科クリニック
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整形外科の病気

骨粗鬆症

「骨粗鬆症とは骨が構造的にもろくなり、骨折しやすくなる病気です。」

 

骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気です。閉経を迎える50歳前後から骨量が急激に減少し、60歳代では2人に1人、 70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症といわれています。これは、女性ホルモン(エストロゲン)が骨の新陳代謝に関わっているからです。

その他、年齢や遺伝的な体質、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒、運動習慣なども骨粗鬆症の原因として考えられており、最近では、若い女性の骨粗鬆症も問題になっています。

なお、他の病気の影響によって骨粗鬆症になりやすくなる場合もあります。背骨がもろくなると、背骨が体の重みでつぶれたり、変形する圧迫骨折がおこりやすくなり、背中が曲がったり、姿勢が悪くなったりします。また転倒により股関節周辺の骨折を起こしやすくなり、手術が必要となったり、寝たきりになるリスクが高くなり、生命予後にも影響があります。

 

外傷・けが・骨折骨粗鬆症治療の目的

骨折を予防し、この先長く、日常生活を快適に過ごすことができるようにすることで、 最近では骨粗鬆症による骨折が、早期治療により予防できるようになっています。

リストマーク骨折してしまった結果・・・
骨折してしまった結果・・・
リストマーク骨粗鬆症になってしまうということは?
骨粗鬆症になってしまうということは?
リストマーク骨粗鬆症の自然経過
加齢による骨量の変化
リストマーク大事なのは骨密度だけでもないのですが・・・
骨粗鬆症になってしまうということは?

リストマーク骨粗鬆症になる危険因子

■年齢・性別

高齢者によく見られる大腿骨頸部骨折や圧迫骨折などは女性に多く男性・女性ともに加齢に伴いその発症リスクが増加する。
骨粗鬆症による骨折は「高齢者」や「女性」が危険因子となる。

■運動不足

運動をしないと骨量だけでなく、筋力も落ち、骨が折れやすくなる。

■ダイエット

過剰なダイエットは、栄養バランスの崩れや栄養不足に関係し筋力や筋肉の低下を引き起こし、骨折しやすくなる。
痩せすぎは、骨量と関係なく大腿骨頸部骨折を引き起こすリスクファクターとなる。

■日照不足

人間の体は食物の摂取からビタミンDを摂取しているだけでなく太陽の光を浴びることでもビタミンDを産生しているため、日照不足はビタミンD欠乏を招きます。
ビタミンDが欠乏すると、ハイドロキシアパタイト(骨の構成物質である水酸化燐灰石のこと)を構成しているカルシウムと一緒にリンなども不足します。

■アルコールの過剰摂取

日光により産生されたビタミンDは肝臓に蓄積・代謝されるのですがアルコールの過剰摂取はビタミンDの代謝を障害し、骨量を低下させる。
また、骨形成の役割をもつ骨芽細胞の働きを抑えてしまい、骨形成に必要なカルシウムなどを排泄尿の中へ排出させてしまう。
骨折の発症率は、アルコールの摂取量が多いほど上昇し、性別による差は確認されていない。

■喫煙

喫煙は尿中へのカルシウムの含有量を増加・排泄させ、女性ホルモンの低下を招き、骨量減少などに影響を与える。
継続して喫煙している人の骨折発症率は約1.3~1.8倍にも上昇するとされ喫煙による骨折への影響は女性よりも男性に強く出現する。

■コーヒーの過剰摂取

コーヒーに含まれるカフェインが排泄尿の中へのカルシウム排出を増やし骨量を減少させる。
しかし、カルシウムの摂取量が基準となる所要量を満たすなど、十分に摂取していれば問題ないらしい。1日のコーヒー摂取が3~4杯以上は注意が必要です。

■薬剤性骨粗鬆症

医薬品によって起こる骨粗鬆症の原因として最も頻度が高いのは副腎皮質ステロイド薬(以下経口ステロイド薬)である。
他の医薬品としては、抗てんかん薬、メソトレキサート、ヘパリン製剤ワルファリン、性腺刺激ホルモン(GnRH)作動薬、タモキシフェンアロマターゼ阻害薬、リチウム製剤などがある。
※関節リウマチで使用する程度のメソトレキサートは大丈夫

リストマーク骨粗鬆症の診断

■骨量測定(1) MD(microdensitometry)

骨量測定X線撮影画像の濃淡や皮質骨の幅から骨密度を評価する方法
第2中手骨で測定
MDで評価できるのは末梢の皮質骨を中心とした骨密度
現在の骨粗鬆症の治療薬は主に海綿骨の骨密度上昇が期待されており、末梢の皮質骨では薬による治療効果判定は困難

■骨量測定(2) QUS(quantitative ultrasound)定量的超音波骨量測定

骨量測定通常は海綿骨の多い踵骨で測定
人間ドックや健診で汎用されるが、診断には用いられない。
QUSは単に骨密度を測定しているのみではなく、骨質も評価している可能性がある。
測定誤差や温度に影響を受ける 難

■骨量測定(3) DEXA(dual-energy X-ray absorptiometry)

骨量測定骨粗鬆症の診断にはDEXAを用いて腰椎と大腿骨近位の両者を測定することが望ましい 骨密度の測定は日本では原則的に腰椎骨密度だが、国際的には大腿骨近位部骨密度が汎用される 。
当院では骨密度はDEXA法で評価しています。
残念ながらMD法では骨密度の測定はできるのですが、DEXAの測定器がありません。
当院と同フロア(あべのハルカス21F)の大阪市立大学MedCityさんや徒歩8分の相原第2病院さん、あるいは四天王寺病院さんをご紹介させていただいてます。

リストマークその他の骨粗鬆症の検査

■骨代謝マーカーの測定

【骨吸収マーカー】NTX(血、尿)・TRACP-5b
【骨形成マーカー】BAP・P1NP
【VitDのチェック】副甲状腺ホルモン(PTH)
【尿検査】尿中Ca など

現在、使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける 「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。どんな薬を選んで、いつから薬物療法をはじめるかは、 年齢や症状の進み具合によって医師が判断します。

 

リストマーク骨粗鬆症の治療薬

■カルシウム薬

治療薬としてのカルシウム薬の骨密度増加効果については有効とするものと、有意な効果がみられなかったという報告に分かれる。
骨密度:わずかではあるが、上昇効果がある。(グレードC)
椎体・大腿骨近位骨折:骨折を抑制するという報告はない
※推奨グレードC・・・行なうように勧めるだけの根拠が明確でない

■カルシトニン薬(エルシトニン)

骨吸収抑制薬
用法:20単位を週1回または10単位を週2回 筋肉注射
効果・効能:骨粗鬆症における疼痛
骨密度:上昇効果がある(グレードB)
椎体骨折:抑制効果(グレードB)
大腿骨近位骨折:抑制するという報告はない(グレードC) カルシトニン薬(エルシトニン)

■ビタミンD(カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトール)

効果・効能:腸管でのカルシウムとリンの吸収を促し、骨石灰化促進を介して骨密度を増加
骨密度:上昇効果がある(グレードB)
椎体骨折:抑制効果(グレードB)
大腿骨近位骨折:抑制するという報告はない(グレードC)
※活性型ビタミンD3薬を投与した場合、有意な転倒抑制効果が確認されている。
※高カルシウム血症に注意

■ビタミンK

効果・効能:腰椎骨密度をわずかに上昇させる効果がある
ビタミンDとの併用は評価が分かれており、明確な治療効果は見られない。
骨密度:上昇効果がある(グレードB)
椎体骨折:抑制効果(グレードB)
大腿骨近位骨折:抑制するという報告はない(グレードC)
※ワーファリンとの併用に注意

■ビスホスホネート薬(ボナロン、ベネット、ボノテオ、アクトネル、リカルボン、フォサマック)

骨吸収抑制薬
用法:毎日あるいは週に1回、または月に1回服用
消化管からの吸収が低いために、水以外の飲食物は服用後30分以上経ってから摂取
※食道狭窄や立位、座位を30分以上保てない人は使用できない
※胃腸障害発生率が比較的高い

リストマークビスホスホネート系の注射薬

■ビスホスホネート系の注射薬(ボナロン点滴・ボンビバ静注)

骨吸収抑制薬
ビスホスホネート系の注射薬
薬価¥4500〜5000/月
注射薬の利点
経口薬では、服用後30分横にならない、服薬前後の飲食・飲水の制限があるが、 注射薬では、経口薬のような規制がない。

【ビスホスホネート薬内服中に抜歯が必要となったら】
ビスホスホネート薬内服中に抜歯が必要となったら服用期間、危険因子、骨折のリスクを考慮して休薬の要否を決定します。
服用期間:3年未満+危険因子なし → 原則続行
服用期間:3年以上or3年未満+危険因子あり →方針決定 3ヶ月の休薬
・休薬による骨折リスク
・歯科治療の必要性
・休薬せずに治療した際の顎骨壊死発症のリスク

リストマーク骨粗鬆症の治療薬

■選択的エストロゲン受容体モジュレーター【SERM 】
(ラロキシフェン、バゼドキシフェン(エビスタ、ビビアント))

骨吸収抑制薬
効果・効能:乳房や子宮へのエストロゲン様作用を発現しないが骨に対してはその作用を発揮する。 骨密度:上昇効果がある(グレードA)
椎体骨折:抑制する(グレードA)
大腿骨近位骨折:抑制するという報告はない(グレードC)

リストマーク骨粗鬆症の治療薬 注射薬

■抗RANKL抗体(商品名:プラリア)

用法:6ヶ月に1回の皮下注射
薬価:¥28500/6ヶ月
効果・効能:破骨細胞の働きを抑えて、骨吸収を抑制
海綿骨や皮質骨の骨量が増加
背骨の圧迫骨折の発生リスクを1年目から68%減少
3年間で腰椎の骨密度を9.2%増加 95%に骨密度の増加効果

リストマーク骨粗鬆症の治療薬 骨形成薬

■テリパラチド(フォルテオ、テリボン)

骨形成促進薬
フォルテオ 用法:1日1回皮下注射(自己注射) 薬価:¥52000/月
テリボン  用法:週に1回 皮下注射 薬価:¥13000/週
効果・効能:24ヶ月の使用で腰椎骨密度は13%上昇
19ヶ月の観察で椎体骨折の発生率は65%低下

※費用は割高だが、得られる効果は大きく、腰痛が軽減したと言われる患者さんが多い!

フォルテオ
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